学校長からの挨拶
(令和2年度文部科学省派遣)
本校に入学・進学されました児童生徒の皆さん、そして保護者の皆様、おめでとうございます。私は今年度、校長として派遣されました熊谷高弘(くまがいたかひろ)と言います。
本校は、1992年10月、日本人会の一室を借りて補習校がスタートしました。日本語を学ばせたいという保護者の強い熱意と、日本人会、学校運営委員会の指導・支援をいただき、94年10月には外務省及び文部省から正式な補習校(児童生徒数24名)として認可され、12月には学校名を現在の「シンガポール日本語補習授業校」に改名しました。95年にはシンガポール日本人学校クレメンティ校の校舎の一部を借り受け、本格的な補習校(児童生徒数86名)としてスタートすることができました。96年にはシンガポール教育省より正式な学校としても認可されました。
2020年現在(4月)、児童生徒数は351名で、アジアで唯一の大規模補習校となり、教育内容や教育環境も充実してきました。このことは保護者の皆様方の本校に対する熱い想いと日本人会、学校運営委員会、関係機関等のご尽力の賜と深く感謝申し上げる次第です。本校は、現地校や国際校で学ぶ子どもたちにとって、数少ない日本語及び日本の伝統文化を学ぶ場の一つとなっています。海外在住の児童生徒が増加している中、果たす役割も増しています。
本校は、このような海外子女教育の現状に鑑み、地域に開かれた日本語補習校として、多様な文化的背景を持った子どもを対象に、「児童生徒や保護者のニーズに応じた日本語及び日本の伝統文化に関する教育を行うことを通して、国際社会に生きる子どもの成長を促し、支援すること」を使命とし、学校目標としています。しかしながら、年間授業日数が40日(年間120時間程度)と限られているため、保護者の理解と協力のもと、家庭学習の充実に努めることも必要となります。また、安全・安心の問題や現地採用教員の確保等、本校の課題には厳しいものがあります。
このような課題を克服し、さらに、よりよい学校を築いていくために学校の取組はもとより保護者の皆様のご支援ご協力も不可欠です。そのために
1 子どもたちが安全で安心して学習に集中できるように、登下校時や学校内での約束事を遵守し、楽しい学習環境作りに協力していただくこと。
2 「家庭は第二の教室、保護者は第二の担任」を合い言葉に、家庭でも学習の基礎となる日本語環境を築いていただくこと。
3 本校発展のための課題解決に対する支援を行っていただくこと。
これらのことが、ご家庭の役割となっています。
また、日本の伝統文化を体験的に理解する上で欠かせない各種行事も保護者の皆様のご協力なしには実施できません。子どもを中心に据え、学校と保護者が一体となって協力してはじめて充実した教育が推進できます。
確かな日本語力と日本人としての素養を培い、これからの日本を担っていく人材、国際社会の中で活躍できる日本人(グローバル人材)の育成を目指して、今後ともご支援いただきますようよろしくお願い致します。